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【アフターマーケット掲載】totocoが生まれた自動車整備工場のDX成功の秘訣!vol.42
2025.08.27
みなさまこんにちは。ヤマウチの人見です。
9月に遡りますが、AA東北・九州にてtotoco(とっとこ/ヤマウチで販売しているクラウド型予約管理サービス)の出展ブースまで会いに来てくださった皆様、およびセミナーを聴講くださった方々、ありがとうございました。なかには「ゲラゲラ笑いながら読んでる!」などとお声をかけてくださる方もいらっしゃって、とっても嬉しくて、天にも昇る心地でございました!また、日程が近くなりましたらご案内いたしますが、来年2月の末には。東京ビックサイトにて開催されますIAAE EXPO2025にもブースを出展予定ですので、是非遊びにいらしてくださいね!
システムをブラッシュアップする際の手順をお伝えします
さて、今月号では少し趣向を変えまして「どうやってtotocoをブラッシュアップしてきたか」についてご案内させていただきます。皆様も、いろんなシステムを導入し、ご活用されていると思うのだけれど、ブラッシュアップをする際に、どんな手順で進めればスムーズなのか、ご参考のひとつとしてお付き合いくださいませ。
整備業界に限らず、“その業界”にどっぷり浸かりきった方であれば、何物にも代えがたい素晴らしい経験値がある反面、「お客様はこう思っているんだ!」という思い込みで目を曇らせてしまうことがしばしばあります。増客など運営の戦略って、ほぼほぼ机上で練りますから、この「思い込み」がバケモノ級にどんどんと膨れ上がり、妖怪独りよがりが爆誕してしまいます。「みんな喜ぶだろうな!」「コレで増客!ウハウハだッ!」なんて思いつつ、意気揚々と打ち出しても、笛吹けど踊らず・・。お客様も来ず閑古鳥・・。こんな経験ってありませんか?そう。それはすべて妖怪のせいなのです(妖怪ウォッチ風w)
製品としてtotocoをリリースしたのが2016年7月なんですが、会社から惜しみない応援はいただいていたものの、実働部隊は私と部下のたった2名でした。もちろんシステム販売なんてモンは、一切経験したことなどございません。totocoのプロトタイプを自社向けにこしらえた際、前述した“妖怪独りよがり”が爆誕しない様、スタッフの細やかな要望をすべてを盛り込んで作り上げ、そして製品化までこぎつけたわけですから「導入先様からのご要望は、100%お応えするのが正しい」と信じて疑わずSaaSビジネスの世界に飛び込んだというわけです。
SEさんに負荷をかけ「光の速さ」でシステムを進化させました
totocoはラチェットモンキー用にこしらえたものがベースですから、製品として考えると、絶対的に足らない機能も当時は多数ありました。「隔週の火曜日だけ休日設定にしたい」とか「毎月第一月曜日は午後から予約を取れない様にしたい」など、運営の根幹に影響を与える箇所なのに、お応えできないだなんて、ありえませんよね?ですから光の速さで実装しました。この「光の速さで実装せよ!」は、totocoをリリースした後、ずーっとSE(システムエンジニア)さんへ休む間もなく投げつけ続けることとなりました。とっても過酷な環境ですよね・・。さらには「ココの表示の順番が自動で変わらなきゃ使いづらいからダメだ!」や「ココが邪魔。非表示にできることが導入条件ね!」など使い勝手向上のご要望も頂戴することになります。「あぁ!!ご要望にお応えしなきゃ導入してくれないじゃん!せっかく興味を示してくださったのに!」と焦りたおし、これまたSEさんにギュウギュウと負荷をかけることとなります。設計図を引く時間も無く、突貫でずーっとシステムを進化させていくわけですから、少しづつ歪みが生じまして、とうどとバグが大量に発生することになりました。もちろん今は大変強いシステムに進化してます。どうぞご安心ください。本当のことを言えば“バグ祭り”をどうやって乗り越えたかを、熱く熱く語りたいところではありますが、「整備工場のDX化」とかけ離れた世界のお話になりますから、差し控えます。ただ、「当時のアタシ・・。過呼吸を発症するまで追い詰められてましてん・・」これだけは記しておきますネw
絶えずシステムをブラッシュアップできるコツがこれです
システムを絶えず進化させていくことの難しさを痛いほどに経験しましたから、totocoのブラッシュアップは「開発はひとつずつする。そして出来上がった都度リリースする」「開発の順番はSEさんの見立てと商売の両柱で検討して決める」「出来上がったものはラチェットモンキーで試運転して使い勝手の良さを確認した後でリリースする」この様な手順ですすめることにしました。また、導入先様から「この機能が欲しい」と申し受けた際は、マルっとすべてお応えするのではなく、「導入先様ALLの7割以上が幸せを感じる機能なら開発しよう!」とお応えのボーダーラインも決めました。そうすることで、絶えずブラッシュアップができるプロダクトに昇華することができたというわけです。
文頭にも書きましたが、SaaSビジネスに挑戦するまでに至らずとも、皆様の会社では、ありとあらゆるシステムをご利用になっていると思います。自前でこしらえたシステムのブラッシュアップを担当さんに依頼する場合も、ブラッシュアップの要望をシステム提供会社へ申し入れる際も、実装の優先順位を決めて、ひとつづつ進めることが肝要であるうえ、どれだけ皆が幸せになる開発なのかを申し入れることが大変重要だと思います。SEさんもメカニックさんと同じ職人さんですから、詰め込み厳禁です。そして全体像を把握できる様に依頼すると、きっと良いお仕事をしてくださいます。今月号は展示会でテンションが上がっちゃってtotocoのお話がベースになってしまいましたが、システムのブラッシュアップのコツとしてご参考にしていただけましたら嬉しいです!