コラム
- HOME
- コラム
- アフターマーケット掲載コラム
- 【アフターマーケット掲載】totocoが生まれた自動車整備工場のDX成功の秘訣!vol.2
【アフターマーケット掲載】totocoが生まれた自動車整備工場のDX成功の秘訣!vol.2
みなさまこんにちは。ヤマウチの人見です。
コロナ禍の影響を受けての店舗運営、大変だと思います。お見舞い申し上げます。
私が責任者をしております香川県高松市のラチェットモンキーでも、代車貸出時に除菌案内や、定期的な店内の除菌清掃などを施し、【予約優先】とする事で、なんとか対策をいたしております。
今回で、コラムも2回目となりますが、前月号で記した通り「車業界しか知らない者が書くコラム」でございます。読みづらい点などがございましたら、どうぞご容赦くださいませ。
コラムvol.1をお読みでない方は是非、こちら(vol.1)からお読みください
では、さっそくですが気になる先月号の続きでございます。リマインドしますと、事は2013年のお話でございます。M&Aの余波を受け、親会社から「公休110日消化&残業月15時間まで」という働き方改革の前哨戦を食らったラチェットモンキーは、人員不足で店舗運営がままならない状況にまで追い詰められます。
なんとか通常運営ができる様【クラウド型予約&入庫管理システム】をオリジナルで作り、仕事の効率化で乗り切ろうと画策したものの、当時の上長から「コスト倒れになる」と、開発を渋られる事となり「Web予約システムの実装と、集客できるHPに作り替える」この2つをエサ(怒られますねw)にして新規開発を勝ち得たところまでが、先月号のお話でした。
意気揚々とシステム開発に乗り出そうとした訳ですが、現場から悲鳴にも似た大ブーイングが発生いたします。
そりゃそうです。これまで紙とホワイトボードで入庫車両の管理をしていたのに、いち女性フロント(当時の私はフロント主任だったのです)から「すべて捨て去ってクラウド管理にする!Web予約にも着手する!」と宣言された訳でございます。「お前本気か!?しくじったらメチャクチャになる!ヤメロ!!!」と、なるのは容易に想像できますよね(笑)
しかも、今からこしらえる訳ですから、設計図は私のアタマの中にしか無い訳です。クラウド管理の必要性を説くには、筆舌に尽くしがたい苦労を要する事となります。
一番の障壁は「現場は紙とホワイトボードでの管理が不便である事に気が付いていない」これでした。
「店頭で予約を取ろうとしたら、誰かが予約台帳を持ち去っていて困った!」「忙しいのに営業さんから何度も予約枠確認の電話がかかってくるの鬱陶しい!」「作業の進捗をいちいち事務所のホワイトボードまで見に行くの超めんどくせぇ!」「現場の状況を考えず無理やりメモ書きで入庫をねじ込んでくるヤツ!あいつらマジで許せん!」。書けば際限なく出てくる現場あるあるの不便やお困りごとですが、あまりにも常態化している為、皆さま不便である事にすら気がつかず受け入れてしまっている訳でございます。
どれほどに無駄の多い煩雑な業務であっても不便に気づいてない訳ですから「今のままでいい。何も困っていない。そっとしておいてくれ!」となるのは当たり前の事だと思います。
現場の声を聞き不便を解消した自作のシステムがついに完成!
私は「まずは現場の皆に『日常業務に隠れてしまっている不便さ』これ気づいてもらう事から始めよう」。この様に考えました。
このままシステム開発を強行したとしても賛同など得られる訳などございませんし、高い経費をかけてこしらえるシステムが、無用の長物と化すのは何としても避けたい訳でございます。
そんな訳で、来る日も来る日も隙さえあればスタッフ一人ひとりを捕まえて「どんな不便を解消したい?どんなシステムなら使いやすい?」と声取りをする事にいたしました。
都度、あたまの中の設計図を修正し、肉付けする事約1か月。ある程度形ができましたので、スタッフ皆を集めて完成予想図や、どんなお困り事が解決できるかをホワイトボードが真っ黒になるまで書きなぐりつつ説明をする訳ですが、何も困っていない皆からすると、「クラウド管理なんて絶対に導入したくない!紙とホワイトボードが大好きなんだ!!」これが本音でございます。とにかく計画を潰そうと、容赦なくネガティブな意見をぶつけて来ます。それはもう苦しい苦しい時間でございました。
完成し、実際に現場で使われている【クラウド型予約&入庫管理システム】 totoco (とっとこ)の管理画面
しかしそんな逆境の中でも、システム開発を諦めるという選択肢は私にはありませんでした。だって働き方改革前哨戦到来で、現場がまったくと言って良い程に回っていない上、日々お客様から「待たせすぎだ!サービスが悪くなった!」とお叱りを受けているんだもの!
たんまりと出てくるネガティブ意見ですが、ひとつ残らず解決できる様に設計図を都度書き換えた結果、ついぞ、ロジカルな反対意見は底をつき「オレはガラケーだぞ!ンなもん使えるかぁ!」という小さな叫びしか聞こえなくなりました。
そんな最後の小さな叫びも捨て置かず、タップ3回で最低限は使える運用方法の工夫を施し、やっと開発にコマを進める事となりました。
システムが仕上がり、従来のアナログ管理と併用しながら試運転を開始する訳ですが、さすがに皆の意見を余す事なく、すべて反映させただけあって、開発前の心配などドコ吹く風でございます。微調整しながらも上手く運用する事ができ、チラホラと「紙の管理と併用するのが手間だ!」という声まで聞こえて来る様になりました。
「もう戻れませんからね!」と言いつつ、紙の管理台帳を皆の目の前でコマギレになるまで破り捨て、念願の予約と作業工程のクラウド管理が開始した訳でございます。
難航すると危惧していた管理方法の変更も、蓋を開けてみると、たった半月程度で成功です。達成感に酔いしれつつニヤニヤしている私を捕まえて、当時の上長から「人見さん、開発許可の条件は覚えてるよね?Web集客の報告が上がってきてないけど、いったい何やってんの?クラウド管理の成功?は?んなもん知らんがな!」と容赦ない追い込みをかけられる事となります。今考えると、ホンマにひどい上長ですよね・・・(溜息)
一息つく事も許されないこの状況。私はいったいどう立ち向かっていくのでしょう!?気になる続きは来月号までお待ちくださいませ。