TOPICS
- HOME
- コラム
- アフターマーケット掲載コラム
- 【アフターマーケット掲載】totocoが生まれた自動車整備工場のDX成功の秘訣!vol.26
【アフターマーケット掲載】totocoが生まれた自動車整備工場のDX成功の秘訣!vol.26
2025.08.21
みなさまこんにちは。ヤマウチの人見です。
先月号に続き、現場のDX化のひとつとして、コンタクトセンター(受電ができるコールセンター)の活用についてご案内いたします。
時は2018年頃の事でございます。わたしは、産育休取得予定の女性スタッフから「復帰場所が店舗だけだと、皆様にご迷惑をかけてしまわないか不安だから退職を考えている」という相談と、大きな事故で後遺症が残るほどの怪我をしてしまったメカニックから「復帰しても整備がこれまで通りできるか不安だ。退職すべきですか?」というふたつの相談を受けておりました。「ふたりとも高パフォーマーだし、失うのはいやだ!あきらめたくない!なぜ、仕事の意欲が高い人が、肩身の狭い思いをしなきゃなんないのか!これまで一緒にやってきた仲間じゃないか!なぜ私は皆さまの想いに応えてさしあげる術を持っていないんだ!」と悶々と悩んでおりました。
一粒で二度、いや三度おいしい施策を思いつきました
そんな中、わたしが導き出した答えは「客前に立たずとも、数値がつくれる新しい部署をこしらえよう!」でした。今やっている仕事じゃなくても、別に良いじゃないですか!「組織として中長期的に儲ける事ができる部署をつくる」この想いに、コンタクトセンター(受電もできるテレコールセンター)の存在がバチっとハマったわけです。
善はいそげ!でございます。totocoを介してご縁ができた会社さまより諸々ご教示いただいたり、地元の会社に相談するなど、情報収集に奔走した結果、「3店舗あるラチェットモンキーの電話番号はそのままに、別の場所に設けたコンタクトセンターにて一極集中で電話対応する」というアクロバティックな仕組みを構築する事となりました。
こうすることで、フロントスタッフは「受電」という業務が軽減されますし、どのお店も高いレベルで電話対応ができる様になります。
また、くだんのメカニックが整備業務を続投できなかったとしても、コンタクトセンターに着任いただく事で、エンジン不調など専門性の高い問い合わせに対応ができるうえ、現場メカニックも電話対応のために整備の手を止めるストレスから解放されます。
これって・・一粒で二度・・いや、三度おいしい施策なのでは・・(ゴクリ・・)
大いなる使命感に燃え上がる
投資も必要ですし、整備工場の運営を、よくご存じではない方々からすると「関節人件費がかかる部署を新たにつくった」と見られるやもしれません。しかし、わたしたちの様に労働集約型の権化の様な職種に身を置いている者からしたら「ひと」を失う以上の痛手はございません。当時を思い起こしますと「どんな風に思われても良い!わたしはコレをやんなくちゃいけないんだ!」という使命感の方が大きかった様に思います。
この決断を大きく後押ししたのは、totoco(とっとこ/ヤマウチで販売しているクラウド型予約管理ツール)の存在でした。「予約情報や入庫車両の状況を一元管理し、いつでもどこでも情報確認ができるうえ、どのデバイスからでも情報修正をおこなう事ができる」この環境が浸透していなければ「遠隔地で受電と架電をする!」などという考えには到底及ばなかったと様に思います。
“怠け者のプロ”なので手間が省ける仕組みしかつくりません
さて皆様、「コンタクトセンターつったって、対応するセクションが増えるわけでしょ?結局のところ手間が増えたんじゃないの?」と思っていませんか?大丈夫です!なんせ私は自他ともに認める怠け者プロですからね!無駄な手間を生む様な事に、手を染めるわけがございません(笑)。
車検など予約の対応については新たに記す必要性もございませんね。totocoで空いている予約枠を確認しつつ一気通貫で受注するのみでございます。
次に、ご相談事など特別な問い合わせ対応ですが、こちらは、すべて折り返し連絡となります。とはいえ、コンタクトセンターからはオープンスペースのtotocoメモ欄に入力するだけで、店舗スタッフへ電話での連絡はいたしません。店舗スタッフはメモを見て折り返しお客様へ連絡を入れ、対応が終ったらtotocoメモ欄に完了を入力して終了です。いわば昔懐かしい交換日記みたいなもんですね。まぁ、公開されていますし、書いたら瞬時に届きますから甘酸っぱい想いなぞするヒマは一切ございませんけどね(笑)
担当者にかかってきた電話の取次ぎも、フロントを介さず担当者の携帯電話に直接繋げます(主要スタッフには携帯電話を貸与してます)担当者が出なければ「お客様対応中ですので、折り返しご連絡いたします」と申し入れて電話を切り、SMSにて承った要件を担当者に飛ばして終了です(長文になる時はtotocoメモ欄を活用です)。担当者も、よほどの事が無い限りコンタクトセンターへ折り返し電話は入れません。文字で十分に伝わりますからね。
「担当者が公休の場合は、たとえクレーム案件であっても絶対に繋がない(もちろん代理の方がご対応しますけどね!)」を鉄の掟にしているのも手伝って、現場スタッフからは「仕事しやすいし、恐ろしいほどに手間が省けてる!」と好評でございます。
コンタクトセンターのおかげで、自動車保険や車販見込み客への電話を使ったアプローチもできますし、手間が省けたフロントスタッフはよりセールスに注力する事ができる様になったわけですが、何よりも大きな釣果は「大切なスタッフの皆様が、なんらかの理由で100%仕事に注力ができない環境に陥ったとしても活躍できる場所を捻出する事ができた」これに尽きると思います。
「DX化ってなんだか冷たい印象を受ける」なんて事を耳にしますが、そうではないんです。血が通った温かい運営をするためにはDX化は必要不可欠なことなのです。
来月号はコンタクトセンターを活用した販促などについてです。気になる続きは来月号をお待ちください!