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【アフターマーケット掲載】totocoが生まれた自動車整備工場のDX成功の秘訣!vol.34
2025.08.22
みなさまこんにちは。ヤマウチの人見です。
今月号は少し切り口を変えまして「ラチェットモンキーコンテスト」についてご案内いたします。
こちらのコラムでも、なんども書いておりますとおり、わたしは現場たたきあげの30年選手です。実際にフロントに立って接客をしつつ、車検や保険、くるまの販売などをしており、6年ほど前にシニアマネージャー(事業部長)となりました。この長い仕事人生の中で、一番インパクトが大きかったのが、12年ほど前におこなわれたM&Aにて、オカモトグループに仲間入りしたことす。※2024年3月号の掲載当時
当時のわたしは、普通のフロント主任でしたので、上席者の皆様がお考えになっている戦略などが聞こえてくることもなく、ただただ不安を増殖させつつ「あたらしい親の言う事は絶対だ!言う事を聞かなくちゃ私たちが作ってきた文化はすべて塗り替えられちゃうんだ!」という誤った解釈をしていました。(今考えますと、ホントに井の中の蛙ですよね・・。赤面待ったなしですw)
非難囂々の中、親会社の指令でコンテストを開催することに
そんな中で「有休消化と残業減を実現させよ」と親会社からミッションが投下され、日々、人手不足と戦うことになります。ギリッギリの状況で店舗運営をしているさなか、当時の上席者から「『ラチェットモンキーでは社内コンテストをしないのですか?』と親会社の人から言われた」。と申し受けることとなります。手には、オリジナルで格好よく作られたコンテストのポスターが握られており、「えぇ・・。なんでこんなに余裕があるん・・すご・・」。と、ただたた感嘆のひとことでございました。
案の定、ラチェットモンキーでもコンテストを開催する様、申し受ける事となるのですが、メカニックのみなさまは疲弊しきっていますから「は?そんなヒマないやろが!何考えとんや!お前には今の状況が見えんのか!?」と非難囂々です。
当時の私も、お客様にご迷惑をかけてまで開催するコンテストの意義を見出す事ができておりませんでしたから、「アタシやって、こんな状況でやりたくないわ!だけどせないかんのじゃわ!アンタ!さっきから文句ばっか言いよるケド、『する』以外に何の選択肢があるんよ!言うてみぃや!!」と文句を言うスタッフにギャン泣きしながら食って掛かるという、修羅場も修羅場でありました(笑)
合意なき催しの結果は・・・
そんな状況で、なんとか開催にこぎつけた第一回ラチェットモンキーコンテストです。公平性を保つために全員競技者として参加としましたから、全店舗閉めて、ひとつの店舗に全員が集まり、ヘトヘトになりながら丸一日かけての開催となりました。
合意なき催しです。そっぽを向く人もいますし、中二病よろしくで手を抜く人もいます。「なんとか形にしなきゃ!」の集大成ですから、コンテストどころか、ぶっつけ本番が、いたるところで披露されています。審査しようにもマイクがついていないですから、競技者が何を言ってるか、まったく聞き取れません。まさに「なんじゃこりゃ」状態です。コンテスト中、どこもかしこも不満まみれ。文句しか聞こえてこない第一回の開催でありました。
自分達がやりたいコンテストに変えたらみんなのお祭りに昇華
翌年度を迎えまして、1月に入ってすぐに上席者から「すまん。『今年度はなぜコンテストをしないんですか?』と言われた。頼む。3月末までに開催してくれ」。なんてことを申し受けます。「えぇッ!?なんとなッ!?」超絶繁忙月です。まったくもって、ありえない指示なわけです。しかし「やらない」という選択肢はありません。店舗は閉めずに、無理やり選抜メンバーをこしらえて、おためごかしに開催いたしました。
そんな状況が3年間つづいたもんですから、スタッフの不満は沸点近くまで上がっていきます。一部の方からは「やる意味あるんか!?仕事なめとんか!!」と怒鳴りつけられたりもしました。「いやいや・・わたしが一番に怒鳴り散らかしたいけん・・」。
そんな頃合いに、会社からシニアマネージャーに抜擢いただくことになりましたので、これをチャンスとコンテストのやり方も刷新することにいたしました。「会社であろうとも友達付き合いであろうとも、組織に属したら、自分の意見なんて関係なく、やらなきゃいけないシーンってあるやん?そんな時って非日常を楽しんだ方が勝ちやと思うんよ。どうせやるなら自分らがやりたいコンテストにしようやないの!」運営実行委員会を立ち上げして競技内容をすべて皆で決められる様にし、これまでやっていた「点数をつけて個人の優劣を測る」をやめて、「点数はつけるが合算値で店舗の優劣のみを測ることにする。素晴らしい競技者には、社長賞など個人賞で報いる」としました。
「競争するよりも応援し合う方が私たちの文化に近いし、より個々人のパフォーマンスが上がる」という判断だったのですが、これが、うれしいことに、大層あたりまして、コンテストのクオリティが年々上がっていくことになります。とくにコロナ禍突入で、この進化は顕著となり、「先に競技者の動画を撮っておき、コンテスト当日はZoomにて全員で観戦する」という手法になりました。音声もくっきり聞こえますし、メカニックの手元もしっかりと見られる 様になったうえ、日ごろ見る事ができない鈑金塗装の高度な技術なども動画にて紹介される様になりました。
「自分たちが主人公だ!」これが伝わると一挙に力を発揮するのが人間というものです。「難しい故障診断をしているところを披露するには?」など、どんどん工夫をしてくださることになります。紆余曲折があったコンテストですが、今年で12回目となり、「皆で腕を自慢しあい、皆で楽しむ、年に一度のみんなのお祭り」まで昇華したというわけです。
職場のDX化をすすめますと仕事の面白さも広がります。「動画配信仕様の観戦型コンテスト」是非挑戦してみてください!とっても楽しいですよ!