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【アフターマーケット掲載】totocoが生まれた自動車整備工場のDX成功の秘訣!vol.38

2025.08.22

みなさまこんにちは。ヤマウチの人見です。

今月号では、先月号でご案内したとおり「メカニックさんの評価方法」についてお話いたします。

まずはヤマウチが採用している評価のグランドルールなのですが、どこの会社さまでも採用しているであろう「職位に応じて評価項目が変わる」というものです。新入社員には比較的優しい内容で、上席になればなるほど難易度が高くなるというアレです。さらに細かく申しますと、数値で測る項目と、プロセスを測る項目に分かれており、高い職位ほど数値で測る項目のウェイトが重くなり、逆に低い職位の方はプロセスを測る項目のウェイトが重くなる様に設計されています。そこに、特別加点で最大10点、特別減点で最大10点の加減点ができ、勤務懲罰による減点が乗ってくるという寸法です。これらの合算値を見て「あなたは〇点以上だからA評価!」となり、その結果に準じて賞与や翌年のベア額が決定するというわけです。

メカニックさんがきちんと評価される「専門職手当」を新設

さて皆さま。ここまで読んで「あれ?」って思ったことはありませんか?はい。そうなんです。メカニックさんの技量を図る項目が無いんです。なんとか特別加点で評価を入れようとするのだけれど、わたしたちマネージャーに許された采配は10点分しかございません。これでは残念ながらカバーがしきれないですよね・・。

ヤマウチはコングロマリット経営をしていますから、グランドルールはどの部署から見ても公平な中道を採用しています。これは大変良い事だと思います。だけれども、ことメカニックさんを主語にすると、納得はできないですよね。「俺は損益計算書の読み解きや、運営の戦略なんてモンは立てられん!俺の仕事はお客様のクルマを整備する事だぞ!そこをどうして見てくれないんだ!!」ご提出いただいた評価表の向こうから、そんな叫び声が聞こえてきます。

かく言うわたしも、整備工場という世界で「腕を振るう人より口をまわす論評人が評価される」なんて事は、あってはならない事だと思っていますからね・・。

そんな苦悩を2年ほどまえに上席の方々や、労務担当の方にご相談した結果、「専門職手当」なるものを別途ご用意いただけることとなりました。この手当は一律で支給するのではなく、100点を満点とするスキルマップで力量を測り、点数に応じて支給額が決まるという仕組みでして、賞与原資としても認めていただきました。

従業員数が2千人以上という大所帯の中、メカニックさんの人数は40名に満たないにもかかわらず、実質上、給与の改革ができたというわけです。手前味噌で大変恐縮ですが、ウチの会社は従業員ひとりひとりを大切にし、かつ、懐が深いとあらためて思った次第であります。

“全店計”を重点指標にして各店が協力しあえる体制を構築

さて、お話をグランドルールに戻しまして、数値で測る項目を設定する際に工夫した点についてお話いたします。こちらは5項目ありまして、事業部毎に項目やウェイトを細やかに設定をする事ができます。そして、わたしが一番に評価のウェイトを重く置いたのは「“全店計”の粗利益計画達成率」でございます。売上で測ると車販で上振れしちゃって、皆さまの頑張りがよくわかんなくなっちゃうので「粗利益に注目!」といたしました。

次に重きをおいたのが「“全店計”の経常利益計画達成率」です。やっぱ商売は儲けてナンボですけんね!ちなみに経常利益ではなく粗利のウエイトを重くしたのは、「使うべき経費をケズって評価を勝ち得ることを正義とすれば事業自体がシュリンクする!」と思ったからです。

さて皆さま。ここでまたもや「あれ?」って思いませんでしたか?そうです。すべてを「全店計」で測っていて、店舗毎に競争をさせていないんです。だって、各店車で20分のところにあるんだもん!競争させちゃうとカニバリが発生してよろしくないという判断です。こうすることで気持ちよく送客しあえますし、病欠者が出たりしても、渋ることなくスタッフの応援を出しあうこともできますよね!

三番目にようやく「“所属店”の経常利計画益達成率」が出てくるわけですが、前述した2項目より評価のウェイトが低いですから「とにかく全店合計の達成が大事だぞ!」ということになります。年度末近くになりますと、リードしているお店が遅れをとっているお店に送客をしたり全力サポートをしはじめます。毎年の様に“うつくしい光景”を見られますので、わたしはとっても幸せな思いに浸る事ができます(笑)

ひとりが頑張るのではなくみんなで頑張ることが大切

4番目と5番目が「“所属店”のKPI計画達成率」「“個人”の目標達成率」なのですが、職位の高さによって重要度が入れ代わります。「個人目標(職位が高いほど難易度が高い)を達成したいがばっかりに無理なご提案をお客様にする」なんてことをしちゃうと、お客様にご迷惑をおかけしてしまいます。ソレを回避するために職位の高い方は「アンタひとりが、どない頑張っても自店舗のKPIがアカンかったらエェ点数獲れへんで!」とし、職位が低い方に対しては、「まずは個人目標達成やろ!」とするわけです。

令和の時代にマッチした公平な評価制度で従業員満足度も向上

グランドルール側の仕組みはクラウド型のプラットフォームを活用しており、大変使い勝手が良いです。また、私たちが独自で編み出したスキルマップや点数化の決め事などは、すべてグーグルドライブで評価をする立場にある皆さまに情報開示をします。そうすることで人によって評価の甘辛が発生しないというわけです。

昭和時代の「全部店長次第!」という文化は自由度が高く、とっても楽しかった記憶しかないのですが、時代は令和です。評価理由をつまびらかにし、公平に点数化をしなければ、部下の皆様は絶対にご納得されません。職場のDX化が進みますと、従業員満足度も上がるとわたしは確信いたしております!

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【アフターマーケット掲載】totocoが生まれた自動車整備工場のDX成功の秘訣!vol.38

みなさまこんにちは。ヤマウチの人見です。

今月号では、先月号でご案内したとおり「メカニックさんの評価方法」についてお話いたします。

まずはヤマウチが採用している評価のグランドルールなのですが、どこの会社さまでも採用しているであろう「職位に応じて評価項目が変わる」というものです。新入社員には比較的優しい内容で、上席になればなるほど難易度が高くなるというアレです。さらに細かく申しますと、数値で測る項目と、プロセスを測る項目に分かれており、高い職位ほど数値で測る項目のウェイトが重くなり、逆に低い職位の方はプロセスを測る項目のウェイトが重くなる様に設計されています。そこに、特別加点で最大10点、特別減点で最大10点の加減点ができ、勤務懲罰による減点が乗ってくるという寸法です。これらの合算値を見て「あなたは〇点以上だからA評価!」となり、その結果に準じて賞与や翌年のベア額が決定するというわけです。

メカニックさんがきちんと評価される「専門職手当」を新設

さて皆さま。ここまで読んで「あれ?」って思ったことはありませんか?はい。そうなんです。メカニックさんの技量を図る項目が無いんです。なんとか特別加点で評価を入れようとするのだけれど、わたしたちマネージャーに許された采配は10点分しかございません。これでは残念ながらカバーがしきれないですよね・・。

ヤマウチはコングロマリット経営をしていますから、グランドルールはどの部署から見ても公平な中道を採用しています。これは大変良い事だと思います。だけれども、ことメカニックさんを主語にすると、納得はできないですよね。「俺は損益計算書の読み解きや、運営の戦略なんてモンは立てられん!俺の仕事はお客様のクルマを整備する事だぞ!そこをどうして見てくれないんだ!!」ご提出いただいた評価表の向こうから、そんな叫び声が聞こえてきます。

かく言うわたしも、整備工場という世界で「腕を振るう人より口をまわす論評人が評価される」なんて事は、あってはならない事だと思っていますからね・・。

そんな苦悩を2年ほどまえに上席の方々や、労務担当の方にご相談した結果、「専門職手当」なるものを別途ご用意いただけることとなりました。この手当は一律で支給するのではなく、100点を満点とするスキルマップで力量を測り、点数に応じて支給額が決まるという仕組みでして、賞与原資としても認めていただきました。

従業員数が2千人以上という大所帯の中、メカニックさんの人数は40名に満たないにもかかわらず、実質上、給与の改革ができたというわけです。手前味噌で大変恐縮ですが、ウチの会社は従業員ひとりひとりを大切にし、かつ、懐が深いとあらためて思った次第であります。

“全店計”を重点指標にして各店が協力しあえる体制を構築

さて、お話をグランドルールに戻しまして、数値で測る項目を設定する際に工夫した点についてお話いたします。こちらは5項目ありまして、事業部毎に項目やウェイトを細やかに設定をする事ができます。そして、わたしが一番に評価のウェイトを重く置いたのは「“全店計”の粗利益計画達成率」でございます。売上で測ると車販で上振れしちゃって、皆さまの頑張りがよくわかんなくなっちゃうので「粗利益に注目!」といたしました。

次に重きをおいたのが「“全店計”の経常利益計画達成率」です。やっぱ商売は儲けてナンボですけんね!ちなみに経常利益ではなく粗利のウエイトを重くしたのは、「使うべき経費をケズって評価を勝ち得ることを正義とすれば事業自体がシュリンクする!」と思ったからです。

さて皆さま。ここでまたもや「あれ?」って思いませんでしたか?そうです。すべてを「全店計」で測っていて、店舗毎に競争をさせていないんです。だって、各店車で20分のところにあるんだもん!競争させちゃうとカニバリが発生してよろしくないという判断です。こうすることで気持ちよく送客しあえますし、病欠者が出たりしても、渋ることなくスタッフの応援を出しあうこともできますよね!

三番目にようやく「“所属店”の経常利計画益達成率」が出てくるわけですが、前述した2項目より評価のウェイトが低いですから「とにかく全店合計の達成が大事だぞ!」ということになります。年度末近くになりますと、リードしているお店が遅れをとっているお店に送客をしたり全力サポートをしはじめます。毎年の様に“うつくしい光景”を見られますので、わたしはとっても幸せな思いに浸る事ができます(笑)

ひとりが頑張るのではなくみんなで頑張ることが大切

4番目と5番目が「“所属店”のKPI計画達成率」「“個人”の目標達成率」なのですが、職位の高さによって重要度が入れ代わります。「個人目標(職位が高いほど難易度が高い)を達成したいがばっかりに無理なご提案をお客様にする」なんてことをしちゃうと、お客様にご迷惑をおかけしてしまいます。ソレを回避するために職位の高い方は「アンタひとりが、どない頑張っても自店舗のKPIがアカンかったらエェ点数獲れへんで!」とし、職位が低い方に対しては、「まずは個人目標達成やろ!」とするわけです。

令和の時代にマッチした公平な評価制度で従業員満足度も向上

グランドルール側の仕組みはクラウド型のプラットフォームを活用しており、大変使い勝手が良いです。また、私たちが独自で編み出したスキルマップや点数化の決め事などは、すべてグーグルドライブで評価をする立場にある皆さまに情報開示をします。そうすることで人によって評価の甘辛が発生しないというわけです。

昭和時代の「全部店長次第!」という文化は自由度が高く、とっても楽しかった記憶しかないのですが、時代は令和です。評価理由をつまびらかにし、公平に点数化をしなければ、部下の皆様は絶対にご納得されません。職場のDX化が進みますと、従業員満足度も上がるとわたしは確信いたしております!

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